スリー・フェイスィズ(2003年)

7インチ レコードシングル(33回転)限定版

オーストリア:クランガレリー gg58

ジャケット フォトグラフ:モーガン・フィッシャー

www.klanggalerie.com

A面
1.ヤキイモ
B面
1. ルッキング・アウト・マイ・ウィンドウ
2. モーガニクス#1

「スリー・フェイスィズ」は地味な小品である。特にモーガンの前作である「ミニチュアーズ2」の、あらゆるジャンルをカバーした作品と比べると、その差は歴然としている。しかし、この3曲の中には、モーガンのバリエーションに富んだ豊かなサ
ンプリングが含まれているのだ。

「ヤキイモ」は8分間で、マルチレイヤーのアンビエント曲である。焼き芋屋の声をモチーフにしている。モーガンはこの声がとても気に入っている。とくに21世紀に入って、通りで物を売る声がすっかりなくなってしまった今は郷愁を誘う。B面の1曲目は、「ルッキング・アウト・マイ・ウィンドウ」。明るく、自然を愛する歌で、モーガン独特の、くせのあるヴォーカルが特徴だ(すこしロバート・ワイアットの声に似ているかもしれない)。この曲はモーガンが2003年3月に東京でジェーン・シベリーと一緒に録音したものだが、彼女いわく、「これはヒットするかもしれない
わよ。とても憶え易いもの。頭にこびりついて離れないわ」とのことである。次のモーガニクス#1は、1曲目から連続して演奏されている。モーガニクス#1は、ミニマルなオルガンのインプロヴィゼーションで、楽しい曲である。曲名のとおり、シリーズとして続編があることを示唆している。

レコードのジャケットについて:ジャケットはモーガン作である。西日本のとある海岸をモーガンが歩いていたとき、錆びついた金属のガラクタの山に出会った。たまたまカメラを持ち合わせていた彼は、このガラクタでヒトの「顔」を急造し、フィルムに収めた。このとき(1992年)撮った写真のうち、4枚が日本のフォークソングバンド、Tamaのアルバムジャケットに使われている。