
使用機材 (画像:15枚。このページを含む。)
ライト・ペインティングの世界に足を踏み入れたのは、1990年の冬、
ハワイのマウイ島に滞在していたときに起きたある偶然の出来事がきっか
けだった。クリスマス・シーズンの訪れとともに、この美しい島に住む人々
は、さまざまな色のイルミネーションで家の外側をおおいつくさんばかり
に飾りつける。
ある夜、私は夜景を写真におさめてみようと思い立った。光量の足りな
い環境で撮影するには、相当長時間の露光が必要になる。ぶれてしまうだ
ろうと思いつつ、三脚がないので、できるだけカメラを動かさないように
注意しながら手持ちで撮ってみたが、案の定なかなかうまくいかない。結
局、画像のシャープさを追求することはあきらめ、露光中にカメラを意図
的に動かして、どのような光の軌跡がフィルムに「描き出される」のか試
してみることにした。
実験の結果に満足した私は以来、何年もかけて、この手法を極めていっ
た。光源もさまざまに変えてみる。夜の闇を走る列車の車窓を通り過ぎて
いく光、水面に映る太陽の光、月の光、蝋燭の光......。写真はトリミン
グや色調補正以外、コンピュータ処理は一切していない。すべてカメラが
とらえたままだ。
ソロ・コンサートを開くとき、ライト・ペインティングを会場の演出と
して使うことも多い。時折こうして作品を眺めていると、人が死を迎え、
あるいは忘我の境地に至って肉体を離脱し、より高く自由な次元に達する
ときの状態を象徴しているような気さえしてくる......。
PENTAX *ist D、K10D デジタル一眼レフカメラ
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